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cardiology

不整脈

通常心臓は、右心房の中にある洞結節と呼ばれる自己のペースメーカーによって、規則正しく収縮しています。心臓の中には目には見えない、電線のようなものが張り巡らされており、心房→心室→心房→心室の順番に収縮しています。
しかし、不整脈を起こすと、本来規則正しく収縮していた心臓のリズムが不規則となり、動悸として自覚症状を感じるようになります。動悸にはいろいろなタイプがあり、大きく分けると、脈が飛ぶ(結滞)するものと、脈がドキドキと早くなるものがあります。
不整脈の種類は多く(心室細動、心室頻拍、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻脈、洞不全症候群、完全房室ブロック、心室性期外収縮、上室性期外収縮)、ある不整脈に対する治療法は、他の不整脈には禁忌(やってはいけない)となることが多いです。
動悸の原因を解明するためには、まず心電図は必要不可欠ですが、発作が起こっていない時に検査しても、検出することはできません。そこで、次に行うのがホルター心電図です。これは心電図を24時間つけっぱなしにし、なんとか不整脈を心電図で捉えようとした方法です。私は不整脈を説明する際に、よく魚料理を例にあげます。目的の魚を捕まえるために、釣り糸をたらし、見事釣り上げられるのがベストです(これが12誘導心電図)。しかし、魚の数が少ない時にはいくら釣り糸を垂らしても、捕まえることはできません。そこで、今度は魚が多そうなところを予想し、網をかけるのです(これがホルター心電図)。しかし、その予想が外れれば、やはり魚を捕まえることはできません。もし、鯛の刺身をイメージし、包丁を研いでいても、釣り上げた魚がアンコウであれば、やはり刺身では食べられません。このようにそれぞれの魚には適した調理法があるため、他の魚のための調理法を用いても、うまくいくこともありますが、逆効果となることも多いです。不整脈の治療も同様です。なかには重篤な不整脈があり、緊急に対処しなければならない場合もありますが、基本的には発作時の心電図を実施することが先決となります。重篤な不整脈の場合には、心停止したり、失神したりするので、自覚症状で判断できます。なかには、何回ホルター心電図を行っても、発作時の不整脈を捉えることができない場合には、植込み型ループレコーダーというUSBよりも小さいものを心臓の近くの胸の皮膚の下に、一時的に植え込みます。これは最長3年間持つので、常に不整脈を監視していることができます。植込みは局所麻酔で簡単に行えます。抜去するのも同様で簡単です。

不整脈の治療には薬物療法、機械の移植、カテーテルアブレーションの3種類があります。薬物療法はそれぞれの不整脈に合わせた薬の内服です。機械の移植とは、主に洞不全症候群や完全房室ブロックにペースメーカーを植え込んだり、持続性心室頻拍や心室細動を起こし、失神したことがある人に植込み型除細動器(ICD)を植え込んだりします。また、重症の慢性心不全の方に、両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRTD)を受け込んだりします。簡単に出つ名しますと、脈が遅くなってしまう方には、ペースメーカーで脈を補ったり、危険な不整脈が出てしまう方には、除細動器の植込みを行います。
次にカテーテルアブレーションですが、カテーテル電極という細い電極を、足の付け根や首の血管から心臓内に挿入し、不整脈が発生する場所や、回路を特定し、電気的に熱をかけ、焼灼するという方法です。この方法は基本的には、頻脈発作を起こす人に行います。病気の種類によってもことなりますが、成功すると完治できる画期的な方法です。この分野の技術発展は著しく、約20年前から行われるようになっています。20年前には治らないと言われていた心房細動も、現在においては、かなりの率で完治することが報告されています。心房細動は脳梗塞の原因となり、寝た切りになってしまうことも多い病気です。定期的に心電図を行い、早く見つけると、カテーテルアブレーションを行えば、効率に完治できます。また、重篤な脳梗塞の原因は、心房細動により左心房内に血栓ができてしまい、それが脳の血管を閉塞し、脳梗塞を起こすことが知られています。現在は、心房内の血栓を予防する抗凝固薬も開発され、脳梗塞発症予防に貢献している。

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